がんサポートグループ企画・運営者のための研修会を開催しました。(令和4年度1回目)
令和4年11月3日 「がんサポートグループ企画・運営者のための研修会」を開催いたしました。この研修会は、「がん患者やその家族が、がんとともに安心して自分らしく暮らせるための心理社会的支援として、自施設の「がんサポートグループ」の企画・運営について見直し基本的な知識と技術を獲得する」ことを目的に、令和2(2020)年度から開催し、今回は4回目の開催です。今回は現地会場(東京秋葉原UDX)とWEB会場を設けるハイブリッド開催とし、全国から77名の医療職の皆様に参加いただきました。研修会や配信の様子をご紹介いたします。
研修会の概要
この研修会では研修会前に【評価編】として、自施設での取り組みを評価する「事前評価アンケート」に取り組んでいただきました。参加者の皆様にはこのアンケートをもとにした「研修会での目標レベル」を事務局からお伝えし、目標意識を持ったうえで研修会に臨んでいただきました。研修会当日は午前中に【講義編】、午後にロールプレイ等を行う【実践編】に分けて行いました。
日程 | プログラム |
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【評価編】(事前課題) |
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【講義編】 10:00~12:00 |
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【実践編】 13:00~17:00 |
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事後評価アンケート |
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開会のあいさつ、オリエンテーション
10:00から平井啓先生(大阪大学大学院)のオリエンテーションが始まりました。 この研修会の背景や目的、研修会の概要を説明いたしました。
↑平井啓先生によるオリエンテーション
講義編
10:15から講義がスタートしました。福井里美先生(東京都立大学大学院)、吉田稔先生(日本赤十字社熊本健康管理センター)のお二人による講義です。大きく4つの項目:「がん患者に対する心理社会的支援の必要性」「がんサポートグループの方法論」「ピアサポーターとの協働」「ピア・サポート体制 都道府県の現状」に分けて講義を行いました。
↑福井里美先生による講義
↑吉田稔先生による講義
実践編
お昼休憩の後は実践編のスタートです。ロールプレイを始める前に、ファシリテーションの基本について、齋藤円先生(市立ひらかた病院)による講義で確認します。またこの講義では実際にサポートグループのイメージを持ってもらうため、4つのデモンストレーション動画を供覧しました。
ロールプレイ
デモ動画視聴のあとは古谷浩先生(精巣腫瘍患者友の会J-TAG)からロールプレイの説明です。6人ずつのグループに分かれ、ファシリテーター役、相談者役、ピアサポーター役を1人ずつ、残りの3人は観察者とし、「サポートグループの一場面」についてロールプレイを行います。
WEBで受講している方は、Zoomのブレークアウト機能を使いロールプレイを行いました。6人ずつの12グループに分かれ、各グループには進行役講師が1人つき、ロールプレイを行います。現地会場も1グループ設け、対面でロールプレイを行いました。
難しい場面でのファシリテーション(解説&デモ)
6回のロールプレイのあとは、松向寺真彩子先生(市立豊中病院)の「難しい場面でのファシリテーション」についての講義を行いました。ここでもデモンストレーション動画を見て「話が長い参加者がいる場合」「沈黙が続く場合」「個別性の高い質問をする参加者がいる場合」の対応を学びました。
グループディスカッション
再び先ほどのグループに戻り30分間のグループディスカッションを行いました。「どんな患者さんにサポートグループを提供すると良いか?」「自身の施設の特徴やニーズにあったサポートグループとは?」「今回の研修を振り返って、改めてサポートグループについて考えたこと」といったテーマで、グループディスカッション&情報交換を行いました。どのグループも、活発な意見交換がなされました。
質疑応答、閉会あいさつ
最後に質疑応答の時間です。グループディスカッション間に出た質問をこの時間で取り上げました。また受講者の方からの質問を取り上げ、講義を担当した講師から回答しました。最後にこの研修会の総括を行った平井啓先生から閉会のあいさつをし、会は閉会いたしました。
研修会終了後のアンケートでは「がんサロンを開催するにあたって、基本的な知識や他の施設の状況を聞くことができて、とても参考になりました。」「ロールプレイでいろいろな立場を経験することで、改めてサロンやサポートグループの必要性を認識できた」といったご意見・ご感想を頂戴しました。ありがとうございました。
この研修会の学びが各ご施設のサポートグループ活動の企画運営に生かされることを願っております。
またこの研修会の実施にあたり、ロールプレイ・グループワーク運営のため、当委託事業の委員・ワーキンググループ員以外から、多くの関係の皆様から協力を賜りました。厚く御礼申し上げます。